1|僕の原点は、いつも“場所”に救われてきた記憶
“場所”には、人の心を変える力がある。その実感が、僕の原点です。
母が用意してくれた自宅での誕生日パーティ。なんてことない家でも飾りがつくだけで空気が変わって、いつもより少しワクワクしていた。家族旅行で泊まったホテルでは、同じ家族なのに距離感がすこし変わって、「なんか、ええなぁ」と感じたあの時間が残っている。大学時代、建築の学びについていけず迷っていたころは、夜な夜なクラブで踊って喋って過ごした時間が、今の自分にとってかけがえのない居場所になっていた。ふり返れば、僕の人生の節目にはいつも“場所”があった。その場所が、僕の心をそっと支えてくれていた。京都時代の修行の日々もそうでした。東京へ行く前、京都で務めた設計事務所は過酷そのもの。週に一度帰れればいい。寝れない、食べれない、気力が削れていく毎日。それでも続けられたのは、仲間が誘ってくれた居酒屋で、ほんの少し笑えた時間があったから。あのときもしんどさをやわらげてくれたのは、やっぱり “場所” だった。