京都の空き家事情と制度解説

京都の空き家バンクと空き家税:実例から学ぶ“使い方”と“向き合い方”

2025年5月24日

はじめに:京都の空き家問題の現状

春先、子どものサッカーの試合帰りに通った住宅街。ふと気づくと、前まで人の気配があったはずの家のシャッターが閉まったままやったんです。庭には雑草、ポストは溢れ返ってて、なんか胸がキュッとなるような感覚。

京都市内でも、こういう空き家がじわじわ増えてるようで、2023年の国の調査では空き家率が約14.3%とか。人口減少だけやなくて、相続や高齢化、住み替えが増えて、空き家が残されるケースが多い。

空き家って「ただの空いた家」とちゃうんです。そこにあった暮らしの跡、誰かの記憶、地域とのつながりが詰まってて、それがポツンと置き去りにされるって、まち全体がちょっとずつ息苦しくなる感じもしてしまう。

だからこそ、どう向き合うか、って話になるんやと思います。

空き家バンクとは何か?

空き家バンクって、名前だけ聞いたら「なんや、家を貯めるとこ?」って思うかも。でも実際は、自治体や団体が運営する“空き家と人とのマッチングサービス”。家を手放したい人と、使いたい人をつなぐ、いわば“縁側”みたいな存在。

京都市の場合、「京都安心すまいセンター」が運営してる「京都安心すまいバンク」っていう取り組みがあって、空き家や町家、長屋を紹介したり、リフォームの相談に乗ってくれたりしてる。

【参考】京都市版空き家バンク「京都安心すまいバンク」 | 京都市空き家対策室 : https://akiya.city.kyoto.lg.jp/ansuma-bank/

使うメリットは、

市が間に入ってくれる安心感があること
専門家のアドバイスが受けられること
町家など希少な物件にも出会える可能性があること

ただ、正直言うと、

掲載されてる物件数がまだ少なめやったり
タイミングによっては希望に合う物件に出会えないことも

こういう部分もあるので、期待しすぎず、でもアンテナ張っておくと、ええ出会いがあるかもな、と思います。

京都市の空き家税制度「非居住住宅利活用促進税」

最近話題の“空き家税”。正式には「非居住住宅利活用促進税」っていう、なかなか噛みそうな名前です。

2026年度から本格的に導入される予定で、ざっくり言うと「使われてへん住宅には、ちょっと税金払ってもらいましょ」という制度。

対象となるのは?

  1. 誰も住んでない、電気も水道も動いてへんような家
  2. 管理がされてへんと判断された建物

税額の目安は?

例えば固定資産税評価額が1,000万円やとすると、その0.7%で年間7万円。これに固定資産税と都市計画税が上乗せされると、年間10万円以上になるケースも。

課税されへん家は?

  1. リフォーム中や売却活動中の家
  2. 週末利用や一時的な不在で、適切に管理されてる家

つまり、「なんとなく放置してる家」がターゲットになる、ということ。

【参考】京都市:非居住住宅利活用促進税について<令和11年度課税開始予定> : https://www.city.kyoto.lg.jp/gyozai/page/0000296672.html

行政側としては、

  1. 防災や景観の問題
  2. 空き家による犯罪や火災のリスク
  3. 地域の活力低下

こういうのを減らしたい、という意図もあると思うんです。

実際の事例から学ぶ

ここからが一番お伝えしたいところ。空き家バンクや空き家税って、制度の話は大事なんやけど、やっぱり“人”の話に落とし込まな伝わらへんと思うんです。

【事例1】丹波口エリアの町家再生

築80年の町家が、空き家バンクを通じて移住者のご夫婦に引き継がれた話。リフォームには行政の補助金も使って、シェアアトリエ兼住居に。

外観はそのままに、中は断熱や耐震をしっかりやってて、「昔の良さ」と「今の安心」が共存してた。

【事例2】空き家税で動いた決断

市内北部の住宅街。長年放置されてた空き家の持ち主に「空き家税の通知」が届いたことで、やっと腰を上げてリフォームを決断。

その結果、月6万円の賃貸収入が生まれて、地域にも若い夫婦が増えた。

成功してる共通点って、「人の手が入ったこと」と「第三者が関与したこと」。

空き家の活用方法と注意点

空き家って、正直「負の遺産」になりがちやけど、ちょっと工夫すれば“地域の資源”に生まれ変わる可能性もある。

賃貸物件として貸し出す

  1. 管理会社に相談する
  2. 地域密着型の不動産会社にあたる

リノベーションする

  1. 補助金制度を使う
  2. デザイン設計のプロに頼む

活用する際の注意点

  1. 地盤や耐震、雨漏りなど、建物の基本性能をちゃんと調べる
  2. 近隣との関係性も大切に

つまり、「建物」だけやなくて、「暮らし」をデザインする視点が必要になる、ということかなと思います。

まとめとこれからの話

空き家って、問題のようでいて、視点を変えたら可能性でもある。特に京都みたいな歴史ある町やと、そこに眠ってる“物語”も含めて活用できると思うんです。

「京都 空き家バンク」や「空き家税」をきっかけに、今まで止まってた時計が、もう一度動き出すような感覚。

もちろん、すべてがうまくいくとは限らへんし、制度の細かいところもまだまだ改善が必要。でも、まず知ること。向き合ってみること。その一歩が、町の未来につながると思ってます。

また北大路のあの路地で、子どもと歩きながら、きれいに再生された町家を見つけたとき、「かっこええなあ」って自然に言葉が出る。そういう瞬間が増えていったらええな、って思ってます。

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