京都の空き家事情と制度解説 京都の空き家物件とリアルな現場レポ

京都で空き家を高く売るには?成功の秘訣と失敗しない不動産会社の選び方

2025年6月15日

はじめに|30度を超える日々と、空き家にしみこむ時間

「6月なのに、もう30度超えですって」

先日、現場の帰り道でそう言いながら額の汗をぬぐったら、隣の大工さんも「ほんま今年は早いな」と笑ってました。京都の夏は湿度が高く、体感温度もぐっと上がるので、家の中に熱がこもりがちです。

これ、実は空き家にとっても大きな影響があります。通気が悪く、長く放置された空き家は、湿気や高温のせいで一気に劣化が進みます。床が浮いたり、建具が歪んだり。売るにしても、資産価値が下がる一因になってしまうこともあるんです。

今回は、「京都の空き家を高く売るには?」をテーマに、売却の流れ、注意点、そして信頼できる不動産会社の選び方まで。実体験や現場での声もまじえて、一緒に考えていけたらと思います。

京都の空き家を売るという選択肢

空き家を所有している方の中には、

「いつか住むかもしれない」

「子どもが戻ってくるかもしれない」

と、なかなか手放せずにいる方も多いです。でも、年単位で放置されている空き家は、管理の手間と税金の負担だけが積み上がっていくことも。

京都は特に、景観や建築規制が厳しいエリアもあり、売却や活用に知識が必要な地域です。にもかかわらず、「どこに相談すれば?」という悩みが尽きません

だからこそ、まずは“売る”という選択肢をきちんと理解し、進め方や注意点を把握することが大切です。京都市の制度や空き家バンクの利用も視野に入れながら、「売って後悔しない」ための情報を整理していきます。

空き家売却の基本的な流れ

まず、京都の空き家を売却する流れを簡単に整理しておきましょう。

  1. 現状の確認(登記簿、相続関係、名義など)
  2. 物件の清掃・整理(残置物の片づけ)
  3. 不動産会社へ査定依頼
  4. 媒介契約(専属専任/一般など)を結ぶ
  5. 販売活動(インターネット掲載、現地案内など)
  6. 売買契約/引き渡し

この中で一番大事なのが、「誰に売却を託すか」です。査定額はもちろん大切ですが、それ以上に、地域の特性を理解してくれるか、実績があるか、信頼できる担当者かどうかが、後悔しない売却の鍵を握っています。

後半では、その「不動産会社の見極め方」にしっかり踏み込んでいきます。

複数の不動産会社に査定を依頼するメリット

ひとつだけの会社にお願いしてしまうと、比較の基準が持てず、つい提示された金額を鵜呑みにしてしまうこともあるかもしれません。でも、空き家のように物件の状態や立地で大きく評価が分かれるものほど、複数社に査定を依頼することは大きな意味を持ちます。

実際、うちの近所でも似たような空き家が三社の査定で1,000万円近く差が出たことがありました。「えっ、そんなに変わるんや……」と皆で驚いたものです。これは単に査定の計算方式が違うだけでなく、その会社がどれだけ地域の需要や特性を理解しているかが影響するところでもあります。

加えて、営業担当の姿勢や、どんな販促手段を持っているか、売却までのプロセスにどれだけ寄り添ってくれるか──そういう細やかな違いも見えてくる。相場を知るためにも、最初の一歩としても、複数査定はやっぱりおすすめです。

信頼できる不動産会社の選び方

査定をお願いする会社をどう選ぶか、それがいちばん悩ましいところかもしれません。僕も仕事柄、いろんな不動産会社の方とご一緒しますが、やっぱり「信頼できるかどうか」は人と人の関係性のなかで決まってくる気がしています。

具体的に見るべきは、その会社が京都の物件をどれだけ取り扱っているか、空き家売却の実績があるかどうか。できれば、売り手の気持ちに寄り添ってくれる姿勢があるかを確認したいところです。例えば「売って終わり」ではなく、その家が次にどんな人の暮らしを支えるのか、そこまで一緒に考えてくれるような担当者だと、任せてみようという気になるものです。

インターネットの口コミや、実際に売却した人の声を聞いてみるのも良いですね。あと、営業トークばかりでこちらの話を聞いてくれない人は、ちょっと距離を置いた方がいいかもしれません。結局のところ、

安心して任せられるかどうか

そこに尽きると思います。

不動産会社の選び方が、空き家の売却価格を左右する

さて、じゃあ実際に「この家を売ろう」と決めたあと、どこに相談するか。 これがまた、めちゃくちゃ大事なんです。よくあるのが「家の近くの大手不動産会社にとりあえず行ってみた」というパターン。もちろんそれでも間違いじゃない。でも、空き家って、普通の住み替えとはちょっと違ってて。

たとえば、昔ながらの町家や、敷地が大きすぎる家、あるいは再建築不可などの制約がある家など、いわゆる"売りにくい物件"も多い。

そういった空き家を、どれだけ適切に評価して、ちゃんと伝えられるかは、その会社や担当者の腕にかかってるんですよね。

特に京都という土地柄、地域のルールや建築制限に詳しいかどうかも重要。祇園や東山など、文化財保護区域の近くなんて、ほんの数メートルの違いでできることが変わる。それを知らずに査定されてしまうと、もったいない話です。

僕のおすすめは、3社以上に査定を依頼すること。そして、担当者と直接話してみて、

「この人、ほんまにこの家の価値を見ようとしてくれてるんやろか?」

と感じてみることです。

たとえば、「古い家なので取り壊す前提ですね」と言う人もいれば、「この梁、活かしたリノベ提案もできますよ」と言う人もいる。同じ家を見ても、提案や視点が全然ちゃうんです。売るという行為も、実はひとつの“共創”なんですよね。

まとめ:京都で空き家を売るということ

売るって、たった一言で言うけど、その裏には「手放すこと」へのいろんな想いや経緯があると思います。僕もこれまでいくつも空き家の相談を受けてきて、「父が大事にしてた家やから」とか「できれば活かしてくれる人に売りたい」とか、ほんまに人それぞれ。

京都という町の空き家は、ただの不動産やなくて、文化の断片や家族の記憶でもある。その価値を丁寧に汲み取ってくれる不動産会社と出会えるかどうかで、最終的な売却額以上の“納得感”が得られると思うんです。

だから、焦らなくてええ。まずは、今の家の価値を知ることからで十分。いくつかの査定を見比べて、自分の気持ちにも正直になりながら、「この人となら任せられそう」という相手を探す。

それが、京都の空き家を高く、そして気持ちよく売るための、いちばんの近道かもしれません。

またどこかで、ふと目に入った空き家の話をしたくなるような、そんな続きが書けたらええなと思います。

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