
📋 この記事でわかること
今日も事務所に、こんな相談が届きました。
「マンションみたいに綺麗じゃないし、築40年の戸建てなんて、どうせ誰も借りてくれないですよね?京都市の空き家バンクにでも登録して、タダ同然で手放そうかと……」
古い。広い。手入れが面倒くさい。だから価値がない——そう思い込んで絶望的になってしまうお気持ち、すごくよく分かります。
でも、ちょっと待ってください。「古い戸建て=誰も借りない」は、完全にウソです。むしろ今の時代、少し古くても「戸建て」というだけで、子育て中のファミリー層から熱狂的に支持されることがあります。
一級建築士・宅建士として、コトスタイルで空き家活用の支援に関わってきた立場から、古い戸建てだからこその「最強の武器」についてお伝えします。
「古い=価値がない」はマンション基準の思い込み
なぜ、築年数の古い戸建てに借り手がつかないと思い込んでしまうのでしょうか。世の中の多くの人が「最新設備の整った綺麗なマンション」を基準に家の価値を測ってしまっているからです。
たしかに、システムキッチンやオートロックの綺麗さでは新築マンションには敵いません。でも、子育て中のファミリー層にとって、一番の悩みは「設備の古さ」ではないんです。
不動産屋の「価値なし」は「うちの客層に合わない」という意味であることが多い。戸建てを本当に必要としている人たちに届いていないだけで、需要は確実に存在しています。
不動産屋の「売れない」「貸せない」という言葉については、こちらも参考にしてください。
→ 不動産屋に「売れません」と言われた実家——それ、担当者の力量不足かもしれない
ファミリー層が本当に苦しんでいること——音のストレス
子どもを育てているファミリー層が毎日何に苦しんでいるか。それは「音のストレス」です。
「下の人に迷惑がかかるから、走っちゃダメ!」「ジャンプしないで!」——毎日毎日、子どもを叱り続け、ご近所からのクレームに怯えながら生活している親御さんが、世の中にはものすごくたくさんいます。
マンション育児の「見えない消耗」
子どもが走るたびにドキッとする。足音がするたびに「うるさくしてないか」と気になる。子どもを「静かにして」と叱る回数が日々増えていく——これは精神的な消耗が本当に大きい。
そのストレスが蓄積すると、最終的に「戸建てに引っ越したい」という強い動機になります。新築マンションより家賃が安くて、多少古くても、子どもが自由に動ける環境の方を選ぶ家族は確実にいるんです。
マンション暮らしのファミリーが「戸建て」に求めていること
- 🏃 子どもが家の中で走り回れる→ 上下左右を気にしなくていい
- 😌 「走るな」「静かにして」と叱らなくていい→ 親も子もストレスが減る
- 🌿 庭で外遊びができる→ 公園に連れていく手間が省ける
- 🐶 ペットを飼いやすい→ 犬や猫OKの賃貸は圧倒的に少ない
- 🎵 楽器・音楽がある程度できる→ ピアノや趣味の音が出せる
「少しくらい建物が古くても、壁紙がくすんでいても、家族が笑顔で暮らせる戸建てがいい」——これが、子育て世帯のリアルな本音です。
「面倒な庭」が最高の遊び場に変わる逆転の視点
古い戸建ての所有者さんがよく口にする弱点が「庭」の存在です。「草むしりも大変だし、管理が面倒くさいだけだよね」と。
でもこの「面倒な庭」も、ターゲットをファミリー層に絞れば最強のメリットに大化けします。
マンションのベランダでは絶対にできないこと
「庭があること」でできること——ファミリー視点
- 🏊 夏にビニールプールを広げる→ マンションでは絶対にできない
- 🍖 友人を呼んでバーベキュー→ 庭付き戸建てならではの特権
- 🥦 プチ家庭菜園→ 子どもと一緒に野菜を育てる
- 🐕 犬の散歩代わりの運動場→ 庭でボールを投げられる
- 🌸 花を植えて四季を楽しむ→ 都市型マンションにはない豊かさ
あなたにとってはお荷物だった庭が、借りる側からすれば「マンションにはない豊かな暮らしの象徴」に変わるんです。
「弱みを強みに変える」発想については、こちらも参考にしてください。
→ 「駐車場がない」は、誰かにとって全然気にならない条件かもしれない
古くても高く貸せる——「心の平穏」のマーケティング
「でも、古い家なんだから家賃を相当安くしないと借りてくれないんでしょ?」——これも思い込みです。
音のストレスから解放され、庭で遊べるという「心の平穏」を手に入れられるなら、相場より少し家賃が高くても喜んでお金を払うファミリーはたくさんいます。
「毎日のようにクレームに怯える生活から抜け出せるなら、月1万円くらい高くても戸建てを選びます」——こういう声は現場でほんまによく聞きます。
「戸建て」というだけで相場より高く貸せる理由
弱みだと思っていた「古さ」や「広さ」は、使い方次第で高く貸せる武器に変えることができます。
直すお金がなくても、そのままの「余白」を貸せばいい
「人に貸すなら何百万円もかけてリフォームしなきゃダメなんでしょ?」——そんなことはありません。
手元に直すお金がないのなら「古い部分は自由にDIYして使っていいですよ」という条件でそのまま貸し出してしまえばいいんです。
「余白」を求めているファミリーが増えている
自分たちで壁に色を塗ったり、庭を少しずつ手入れしたり。そういう「空間の余白」を楽しみたい若いファミリー層は確実に増えています。大家さんが完璧に綺麗にするという常識を捨てて、空間づくりを相手に委ねてしまえば、資金ゼロでも十分に勝負できます。
📋 「現状渡し・DIY自由」で来てくれる人たち
- 🔨 DIYが好きな若いファミリー→ 二人で直しながら住む家がほしい
- 🌿 自然・スローライフ志向の家族→ 庭で野菜を育てる暮らしがしたい
- 🐕 大型犬・多頭飼いをしたいオーナー→ 庭付き戸建てでないと飼えない
- 🎸 楽器を弾く家族→ 子どもがピアノを習っている
- 🏡 「自分たちの家を作りたい」夫婦→ ゼロから色を塗って空間を作りたい
現状渡し・DIY型賃貸の詳しい進め方は、こちらを参考にしてください。
→ 空き家の「現状貸し・スケルトン渡し」がウケる理由——直すお金がなくても借り手が見つかる逆転の発想
空き家バンクに出す前にできること
「本当にうちの実家を借りたいファミリーなんて現れるのかな……」と不安になるお気持ちはよく分かります。
いきなり不動産屋の看板をくぐったり、よく分からないまま空き家バンクに登録して決断を急いだりする前に、まずは世間の人たちがあなたの実家をどう見ているのか、フラットな意見を聞いてみませんか。
京都市の空き家バンクを使う前に知っておくこと
京都市の空き家バンクは信頼性が高く無料で利用できますが、以下の準備が必要です。
📋 京都市の空き家バンク登録前に準備すること
- ☑️ 相続登記の完了——2024年4月から義務化。名義が被相続人のままだと登録できない
- ☑️ 権利関係の確認——再建築不可・借地権・抵当権の有無
- ☑️ 「売るか貸すか」方向性の整理——決まっていない場合はakimiiで需要確認が先
- ☑️ 建物の現況確認——雨漏り・シロアリなど既存の欠陥を把握しておく
akimiiで「世間のリアルな需要」を先に知る
akimiiは、スマホから匿名で実家の写真を載せるだけで、「ここをこんなふうに使いたい!」というアイデアが世間から直接届くサービスです。
「えっ、現状のままで借りたいっていう家族がいるんや」——そんな思いがけない需要に気づくことができれば、絶望的だった実家の未来にパッと明るい光が差してきます。
世間の需要が先に見えれば、空き家バンクに登録するか、民間で賃貸に出すか、DIY型で貸すか——自分に有利な条件で判断できるようになります。
古い戸建てを借りたいファミリーが、
世間にいるかもしれへん。まず聞いてみませんか。
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空き家の可能性を、写真で見てみる →よくある質問
まとめ——古い戸建ては、子育て世代の「救いの場所」になれる
「マンションじゃないし、古い戸建てなんて誰も借りない」——その思い込みで、大切なご実家を塩漬けにしてしまうのは今日で終わりにしませんか。
📌 この記事のまとめ
- 「古い戸建て=誰も借りない」はマンション基準の思い込み
- ファミリー層の最大の悩みは設備の古さではなく「音のストレス」
- 「走っていい・庭がある・ペットOK」は戸建てだけの最強の武器
- 「心の平穏」に価値を置くファミリーは、多少家賃が高くても戸建てを選ぶ
- リフォームなしの「現状渡し・DIY自由」でも借り手が見つかるケースがある
- 空き家バンクに登録する前にakimiiで需要を確認→有利な条件で判断できる
あなたが「古くてダメだ」と思っているその家は、見方を変えれば、マンション暮らしの家族を救う最高の舞台になるかもしれへんね。まずはスマホでご実家の写真を何枚か撮ってみてください。
その古い戸建て、ファミリーの「救いの場所」になるかもしれへん。
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穴澤 陸平(あなざわ ろっぺい)
一級建築士 / 宅地建物取引士 / MBA|コトスタイル株式会社・株式会社グッドランプ 代表
コトスタイルとして京都・関西を中心に300件超の店舗開業・空き家活用支援に携わる。建築・不動産・経営の複合的な視点から、空き家の可能性を広げることを専門とする。