
「穴澤さん、空き家税って始まったんですか?うちも対象になるんかなと思って……」
最近、こういう連絡をもらうことが増えました。それも、相続してからずっと手をつけられていた空き家を持つ方からが多い。「税金が怖くて調べたいんやけど、調べると余計不安になりそうで」という気持ち、なんかわかります。
空き家にかかる税金って、正直わかりにくい。固定資産税なのか、空き家税なのか、相続税なのか。全部別の話なのか、重なるのか。ネットで調べても「場合によります」とばかり書いてあって、結局どうなんやということがわからない。
今日は「空き家 税金」というテーマについて、3種類の税金それぞれの仕組みと、税負担を減らすための具体的な対策まで、全部正直に整理します。
私は一級建築士・宅建士として、京都を中心に空き家の活用支援に関わっています。制度の細かい計算は税理士の領域ですが、「全体像をつかんで、次の一手を考える」ところまではお手伝いできます。
📋 この記事でわかること
- 空き家にかかる税金の種類と全体像(3〜4種類)
- 固定資産税が最大6倍になる「住宅用地の特例外れ」の仕組み
- 京都市の空き家税(非居住住宅利活用促進税)の概要
- 税負担を減らすための3つの実践的な対策
- 費用ゼロで動き出すという選択肢(akimiiの話)
空き家を持ち続けると、税金は何種類かかるのか
まず全体を俯瞰してから、ひとつひとつを掘り下げます。
空き家に関係する税金は、大きく分けると4種類あります。それぞれ「誰が・何に・いつ」課税するかが違うので、混乱しやすい。
「毎年かかる」のが固定資産税と空き家税(京都市の場合)。「動いたときにかかる」のが相続税・譲渡所得税。この区別が最初のポイントです。
そして重要なのが、「放置しているだけ」の状態が、最も税コストが積み上がりやすいパターンだということ。この理由を、次に詳しく説明します。
固定資産税——「空き家だから税金が安い」は、完全な誤解です
これ、ほんとうに多い誤解なんです。
「誰も住んでいないんだから固定資産税は安いでしょ」——そう思っている方に、ちょっと待ってほしい。実は逆で、空き家状態によっては固定資産税が通常の最大6倍になる可能性があります。
「住宅用地の特例」とは何か
日本の固定資産税には「住宅用地の特例」という制度があります。簡単に言うと、人が住んでいる土地の固定資産税は、居住実態があることで大きく軽減されるという仕組みです。
住宅用地の特例(軽減率)
- 小規模住宅用地(200㎡以下の部分):課税標準額が 1/6 に軽減
- 一般住宅用地(200㎡超の部分):課税標準額が 1/3 に軽減
これが、「特定空き家」や「管理不全空き家」に認定されると、翌年からこの特例が外れます。つまり、軽減されていた分がまるっと元に戻る——結果として固定資産税が最大6倍になる可能性が出てきます。
2023年空き家特措法改正で、何が変わったか
2023年12月に施行された「空き家等対策の推進に関する特別措置法」の改正で、「管理不全空き家」という新しいカテゴリが追加されました。
これまでは「特定空き家(倒壊危険・著しく景観を損なうなど)」のみが特例外れの対象でしたが、改正後は「そこまで悪化していなくても、適切に管理されていない空き家」も対象になる可能性が出てきたということです。
「たまに草刈りはしてる」「外観はそこまで傷んでいない」という物件でも、行政から指導を受ける可能性が生まれました。これが、「空き家 税金」の検索が急増している一番の背景です。
固定資産税が6倍になると、実際いくら増えるか
少し具体的に見てみます。
年間約1万4千円が約8万4千円へ。差額は7万円。これが毎年かかってくるということです。
「認定されるまでには時間がかかるから大丈夫」と思いがちですが、指導・勧告・命令というステップが始まると、一気に進みます。気づいたときには手遅れ、というケースも実際に出ています。
京都市の空き家税(非居住住宅利活用促進税)——2026年、本格課税スタート
固定資産税とは別に、京都市には独自の「空き家税」があります。正式名称は「非居住住宅利活用促進税」。2022年に総務省の同意を得て、段階的に導入が進んでいます。
制度のポイントをざっくり整理
📌 非居住住宅利活用促進税(空き家税)の概要
- 対象:京都市内にある「居住の用に供されていない住宅」
- 課税主体:京都市(国税・府税とは別。固定資産税とも別)
- 2026年度より本格課税スタート
- 税額の基準:固定資産税評価額をもとに算出
- 全国的に見ても非常に珍しい独自課税
課税対象になるケース・ならないケース
✅ 課税対象外(非課税・軽減)になり得るケース
- ☑ 賃貸・売却のために市場に出している物件(一定条件あり)
- ☑ 改修工事中の物件
- ☑ 相続後の手続き期間中(猶予が認められる場合)
- ☑ やむを得ない事情がある場合(行政判断による)
逆に言えば、「ただ放置しているだけ」の物件が最も課税対象になりやすい。固定資産税と同様に、「動く」ことが税負担を減らす直接の対策になります。
「二重課税」になるの?という誤解について
「固定資産税も払っているのに、さらに空き家税も取るの?」という声をよく聞きます。
正確に言うと、固定資産税と空き家税は課税根拠が異なる別の税金であり、二重課税(同じものへの二重の課税)には当たらないというのが行政の整理です。ただ、実質的に両方払うことになるのは事実で、負担感としては「上乗せ」という感覚は間違っていません。
空き家税の詳細な計算方法・税率・対象条件については、こちらの記事で詳しく解説しています。→ 京都市の空き家税(非居住住宅利活用促進税)を徹底解説
税負担を減らす3つの対策——「放置」だけが正解ではない理由
では実際に、税負担を軽減するためにできることは何か。現場でよく話す3つの選択肢を整理します。
対策① 賃貸・売却に出して「使われている物件」にする
最もシンプルな方法です。
固定資産税の住宅用地の特例は、「住宅の用に供されている土地」であれば適用されます。つまり賃貸に出して、借主が居住または事業に使っている状態であれば、特例は維持されます。
また京都市の空き家税についても、賃貸借契約が成立して実際に貸し出している状態であれば、課税対象から外れる可能性が高いです。
ただし「市場に出しているだけ」では条件を満たさないケースもあります。実際に使われている状態にすることがポイントです。
対策② 京都市の補助金を使って改修する
「改修費用が出ない」という方に知っておいてほしい制度がいくつかあります。
京都市で活用できる主な空き家関連補助金(目安)
- 京都市空き家活用補助金:空き家をリノベして賃貸・売却する場合の改修費を一部補助
- 京都市町家改修助成:京都市内の伝統的な町家の改修に補助(景観・耐震などが対象)
- 空き家改修・流通促進事業:不動産市場に出す前提で改修する際の費用補助
※補助金の内容・上限・条件は毎年変更される場合があります。最新情報は京都市の公式窓口にご確認ください。
補助金を活用すれば、改修コストを圧縮しながら「課税対象外」の状態を目指せます。
対策③ 「現状貸し」——改修ゼロで動き出す
「改修費が出ない」「そこまで手間をかけたくない」という方に、もう一つの選択肢があります。
「現状貸し」とは、建物を現状のままの状態で借主に貸すこと。DIYや自主改修を前提に貸し出すケースも増えています。飲食店・カフェ・アトリエ・倉庫など、改修費ゼロで使いたいという事業者・個人は一定数います。
「売れない・きれいに直せない・でも税金だけはかかる」という状況でも、現状貸しという形で「使われている状態」にできれば、税負担を抑えながら収益も生まれます。
この「現状貸し」を探している人たちと空き家オーナーをつなぐのが、akimiiのような民間マッチングサービスの役割のひとつでもあります。
費用ゼロで動き出す——akimiiという方法
「対策はわかった。でも最初の一歩が踏み出せない」という方に、最後にひとつお伝えします。
akimiiは、空き家の写真を載せるだけで「こんなふうに使いたい」という事業者・個人からの提案が届く民間マッチングサービスです。
akimiiの仕組み(ざっくり3ステップ)
- 写真を数枚撮って登録する(匿名OK・完全無料・スマホで完結)
- 活用したい人から提案が届く(PDF形式でじっくり比較できる)
- 気に入った提案があれば「希望する」を押すだけ(急かされない)
こんな方にakimiiが向いています
✅ akimiiが向いているのはこんな人
- ☑ 売るか貸すかまだ決めていない
- ☑ 改修費をかけずにまず様子を見たい
- ☑ 再建築不可・築古で「売れないかも」と思っている
- ☑ 個人情報を大量に開示せずに、まず動き出したい
- ☑ 税負担が増える前に、何か手を打っておきたい
空き家バンクや不動産業者との違いについては、こちらもあわせて参考にしてください。
→ 京都で空き家バンクに登録する前に知っておきたいこと
→ 空き家バンクとakimiiを徹底比較
よくある質問(FAQ)
Q. 空き家税と固定資産税は、別々にかかりますか?
はい、別々にかかります。固定資産税・都市計画税はこれまで通り課税されます。それに加えて、空き家税(非居住住宅利活用促進税)が上乗せされる形です。ただし空き家税は固定資産税評価額をもとに算出されるため、評価額が低い物件は税額も抑えられます。
Q. 相続登記がまだ終わっていない場合、税金はどうなりますか?
名義が被相続人(亡くなった方)のままでも、実質的な管理者に固定資産税が課税されるケースがあります。また、相続登記の義務化が2024年4月からスタートしています。相続から3年以内に登記しないと過料が科される可能性があるため、早めの対応が必要です。司法書士や行政窓口に相談することをおすすめします。
Q. 空き家税の対象かどうか、自分で確認できますか?
正確な判断は京都市の窓口(京都市住宅政策課)に確認するのが確実です。ただ目安として、「居住実態がない」「賃貸・売却に出していない」「放置状態にある」の3つが重なる物件は対象になりやすいと考えておくと良いでしょう。
Q. 「現状貸し」でも、課税対象から外れますか?
賃貸借契約が成立して実際に貸し出している状態であれば、固定資産税の住宅用地の特例は維持される可能性が高く、京都市の空き家税についても課税対象から外れる可能性があります。ただし条件の詳細は必ず京都市窓口に確認してください。
Q. 売却すれば税金はすべてなくなりますか?
固定資産税と空き家税は、所有権が移転した時点でかからなくなります。ただし、売却益が出た場合には「譲渡所得税」が発生します。空き家の場合、一定の条件を満たせば「3,000万円の特別控除」が使えるケースもあります。税理士への相談をおすすめします。
Q. 固定資産税評価額は、どこで確認できますか?
毎年送られてくる「固定資産税・都市計画税の納税通知書」に記載されています。紛失した場合は、市区町村の窓口で「固定資産税評価証明書」を取得できます(1通300〜400円程度)。
まとめ:空き家税は「行動のサイン」だと思って動いてほしい
子どもが学校でサッカーの話をしてくれると、つい「ちゃんとポジション取れてたか?」って聞いてしまうんですが、空き家の問題ってそれに似てるなと思っています。
ポジションを取らずに、ただピッチに立っているだけでは何も起きない。でも一歩動くと、ボールが来るルートが生まれる。空き家も同じで、「出す」「動かす」という最初のアクションがなければ、どんな可能性も生まれない。
空き家税や固定資産税の特例外れは、「そろそろ動いてください」という社会からのサインだと私は捉えています。
税負担が増える前に、まず「今の状態で出せる場所に出す」という一手を打ってほしい。改修費をかけなくていい。大がかりな準備もいらない。写真一枚から始めれば十分です。
🔖 この記事のまとめ
- 空き家にかかる税金は固定資産税・空き家税・相続税・譲渡所得税の4種類
- 「特定空き家」「管理不全空き家」に認定されると固定資産税が最大6倍になる
- 2023年空き家特措法改正で「管理不全空き家」も認定対象に拡大された
- 京都市の空き家税(非居住住宅利活用促進税)は2026年度から本格課税
- 税負担を減らすには①賃貸・売却 ②補助金活用改修 ③現状貸しの3つが有効
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